コラム

 

 弊社の代表者が生活の中で感じたことなどをコラムという形でホームページに掲載させていただいております。

コラム平成31年4月「ご挨拶」

“子供は日本の宝だ”


子どもの頃に橋の上で言い争いをしていると、「これこれ、友達同士仲良くしなさいよ!あんた達子供は日本の宝なんだから・・」そう言って4、5人の間に割って入って来て一人一人に巾着から10円玉を掌に乗っけて頭を撫でてくれた 静岡県は三倉村大府川の石屋の婆さん。昭和35年頃の話で、10円で大きなあんパンが1個買えた。いたずらな私が味を占めない訳がなく、石屋の婆さんが通りかかると30m位手前から無理やり喧嘩を始める。「これこれ、友達同士仲良くしなさいよ!あんた達子供は日本の宝なんだから・・」と言って又巾着から10円玉を一つづつくれる。「日本の宝ってなんだ?」「どうでもイイけど又儲けちゃった」「喧嘩のおかげ、母ちゃんに言うなよ!」そんな会話をしていたんだろうと、今思う。

私は数年前から小さな子ども達が路地で遊んでる風景を見て、微笑ましく思うようになりました。 先日は朝の出勤時に、4歳位の女の子 が歩き始めたばかりの1歳位の女の子(たぶん妹)に両手を広げてよちよち歩きを助ける仕草。5mばかり離れて後を追う父親。 私は思わず自転車にブレーキを掛けて少し遠くから様子を見入ってしまいました。 その時に浮かんだ言葉が正に「子供は日本の宝だな・・」 石屋の婆さんとついに同じ心境になった事を思い出した。あの時の婆さんは何歳位だったんだろうか? 今の自分と同じくらいかな?60年経って「日本の宝」と言っていた事が理解できて人目を気にせず笑ってしまった。子ども達をみて安心をする様な気持ち、「令和」とは自分なりにこんな心境の事を言うのではないだろうかと勝手に解釈している。

本日伊勢神宮では天皇陛下の「神宮親謁(しんえつ)の儀」が執り行われ、退位のご報告をされている。日本と言う国を次の世代に託す思いは誰もが同じ。大正生まれの人も昭和生まれの人も、自分たちが生きた短い歴史も含めて、平成・令和の世代に日本という国をこよなく愛して、ずっと守って行って欲しいと心から思う。三倉村の石屋のばあさん、すまんかった。社会貢献するから許してくれ!(合掌)

平成31年4月18日
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成

コラム平成31年2月5日「ご挨拶」

“昭和は遠くなりにけり”


『降る雪や 明治は遠くなりにけり』中村草田男(1901~1983)哀愁なのか憂いなのかメランコリックなのか、人それぞれに古き良き時代を懐かしく思い、ふと我に返り、感慨に浸るのです。  明治の俳人の有名な句でありますが、この句を詠んだのは1931年(昭和6年)彼が30才の時でした。明治と昭和の間に「大正」があり、まさに今、新しい元号を迎えるにあたって平成を間に挟み、私には“降る雪や 昭和は遠くなりにけり”の心持ちになるのです。私は若かりし頃、大きな葬儀の警備責任者になることが度々ありました。 昭和を代表する歌手、美空ひばりさん、若者のカリスマ 尾崎豊さん、そして何と言っても新宿御苑で執り行われた昭和天皇の大喪の礼の為の準備警備と一般公開警備(合計55日間)。いずれも私が30歳代後半の警備会社の頃でした。昭和を代表する方々との別れ、その頃の自分を今思い出すと、哀愁なのか憂いなのか、メランコリックなのか・・30年の時を刻み続ける振り子時計のような面持ちになるのです。

ふと現実にもどり、次の元号に思いを馳せれば、そうだ日本古来の元号と言う時代のくくりが有るからこそ、そこに哀愁を生みだしてくれていたのだと気付きます。西暦ではこのような感慨に耽ることも、時代を振り返ることも又違う種類のものになるのでないだろうかと思います。日本古来の元号が樹木の年輪のような役目を果たし、歴史の重みをさらに際立てたせてくれていることに感謝しながら新元号の発表を心待ちにしております。

平成31年2月5日
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成

コラム平成30年6月「ご挨拶」

“豆腐のような人間”


明治時代の俳人・荻原井泉水は、人間の柔軟性について、豆腐をたとえにしてうまい表現をしている。豆腐は四角四面の仏頂面だが、柔らかさ申し分ない。身を崩さぬだけのしまりもある。煮ても焼いてもよし。沸きたぎる油で揚げても、寒天の空に凍らしてもよい。相手を選ばぬ。チリ鍋、スキヤキ、おでん、正月の重箱でも、仏事のお皿にも一役買う。実に融通がきく、無我の境地に至っている。それは重い石臼の下をくぐり、こまかい袋の目を漉して、さんざん苦労したからである。初めは、冷水の中にドップリと浸けられた上で、熱湯の中をくぐりぬける。その後、石臼で自分という形を無くされ、にがりによって程よい硬さにされる。 なるほどと感心した。柔軟性というものは難しいものである。ともすると八方美人、あるいは追随となってしまう。柔軟であることは、しなやかであること。しなやかとは、いわば柳である。 根や幹はしっかりしているが、枝はしなやかに風に舞う。大風に対しては、そのしなやかさが身を守るのであろう。強く立ち向かう枝葉、折れてしまうのである。人生、修行浅く、そのような境地にはなれないが、含蓄のある、心したい「豆腐の話」であった。

日々雑感  ~青亀恵一氏のコラムより

私は男ばかりの3人兄弟の末っ子、小学生のころのある元旦にオヤジが3人を正座させ、突然お前たち『豆腐のような人間になれ・・!』  はぁ?って思っていたら、続けて『豆腐は角(かど)があっても柔らかい。身は純白でどんな料理方法もできる。』幼かった私は、この後兄弟に手渡されるはずのお年玉のことが気になっていたと思う。しかし、この言葉を私は今日まで忘れたことはなかった。60歳を過ぎて、身に染みて考える。身の硬さ、柔軟性、しなやかさ、白さ、協調性、そのすべてが冷や水を浴び、熱湯にくぐらされ、粉々に砕かれて絞り取られ、最後は苦汁をのまされるからこそ養われたもの。ビールのあてに冷奴をつまみながら、30年前に亡くなったオヤジを想う。

平成30年6月
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成

コラム平成30年5月「ご挨拶」

“ありがとう”の報酬


コツコツさんとモクモクさんを集めてピカピカさんに!保育園の園長さんの様な挨拶ですが、当社の仕事を一番わかりやすく表現するとこうなりました。ある日の朝、早朝のトイレを利用されることの多い女性のお客様から、『駅のトイレは汚れていることが多くて、朝は入りたくないの・・』とお話掛けられました。私は改めて『ごもっとも・・』と思うと同時に、清掃員の方もこの時間に出勤は無理だろうから、仕方ないね・・と思っていました。運輸・鉄道関連企業のサービスは『安全に・正確に・より速く』は勿論のことプラス『より快適に』が強化されて参りました。24時間トイレをきれいにすることはご利用になるお客様の気持ちを豊かにし、輸送の安全と安心に繋がることは間違いありません。

電車が一日の勤めを終え、深夜に仮眠を始めるころ、コツコツさんとモクモクさんが駅のトイレ清掃を始めます。そして始発電車が走り始める前にピカピカに仕上げます。二人はお客様と直接お会いすることはありませんが、早朝にご利用いただいたお客様の満足感と、心のどこかで・・『朝からキレイだ、ありがとう!』と思って頂ける方がお一人でもいらっしゃれば、二人にとって“最高の報酬”になります。私どもの会社は清掃業・警備業のどちらもサービス業ですし、社会に必要とされる地道なお仕事です。しかし誰にでも出来る仕事ではありません。それは与えられた事を毎日こつこつと、黙々と、ひたすら繰り返し行う『人間性も磨く業務』だからです。

平成30年5月
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成