“子供は日本の宝だ”


子どもの頃に橋の上で言い争いをしていると、「これこれ、友達同士仲良くしなさいよ!あんた達子供は日本の宝なんだから・・」そう言って4、5人の間に割って入って来て一人一人に巾着から10円玉を掌に乗っけて頭を撫でてくれた 静岡県は三倉村大府川の石屋の婆さん。昭和35年頃の話で、10円で大きなあんパンが1個買えた。いたずらな私が味を占めない訳がなく、石屋の婆さんが通りかかると30m位手前から無理やり喧嘩を始める。「これこれ、友達同士仲良くしなさいよ!あんた達子供は日本の宝なんだから・・」と言って又巾着から10円玉を一つづつくれる。「日本の宝ってなんだ?」「どうでもイイけど又儲けちゃった」「喧嘩のおかげ、母ちゃんに言うなよ!」そんな会話をしていたんだろうと、今思う。

私は数年前から小さな子ども達が路地で遊んでる風景を見て、微笑ましく思うようになりました。 先日は朝の出勤時に、4歳位の女の子 が歩き始めたばかりの1歳位の女の子(たぶん妹)に両手を広げてよちよち歩きを助ける仕草。5mばかり離れて後を追う父親。 私は思わず自転車にブレーキを掛けて少し遠くから様子を見入ってしまいました。 その時に浮かんだ言葉が正に「子供は日本の宝だな・・」 石屋の婆さんとついに同じ心境になった事を思い出した。あの時の婆さんは何歳位だったんだろうか? 今の自分と同じくらいかな?60年経って「日本の宝」と言っていた事が理解できて人目を気にせず笑ってしまった。子ども達をみて安心をする様な気持ち、「令和」とは自分なりにこんな心境の事を言うのではないだろうかと勝手に解釈している。

本日伊勢神宮では天皇陛下の「神宮親謁(しんえつ)の儀」が執り行われ、退位のご報告をされている。日本と言う国を次の世代に託す思いは誰もが同じ。大正生まれの人も昭和生まれの人も、自分たちが生きた短い歴史も含めて、平成・令和の世代に日本という国をこよなく愛して、ずっと守って行って欲しいと心から思う。三倉村の石屋のばあさん、すまんかった。社会貢献するから許してくれ!(合掌)

平成31年4月18日
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成