“横田 滋さんの無念”(慎んでご冥福をお祈り申し上げます)


今から遡ること22年前、テイケイ株式会社の社内に見慣れない告知文書が掲示されました。表題は『横田めぐみさんを救う会 国民大集会 日比谷公会堂に参加者求む』掲示したのは当時の警備会社社長。 初めて見る横田めぐみさんの名前とあどけない写真に当時の私は正直な話、社員にイデオロギーを持ち込んで欲しくないと思い参加しませんでした。そして集会当日の日曜日、2時間程度の集会に会社から参加した社員は約100人。「どうだった?」って聞くと「内の会社の人間ばっかりで、会場全体でも500人いたかな?」という返事でした。でも社員一人一人に会社から現金で1万円が出たことも知る。

一年後の平成11年、またも社内に「横田めぐみさんを救う会 国民大集会 日比谷公会堂に参加者募集」の告知、この頃でもまだ拉致が事実として取り上げる風潮はなく、「北朝鮮の拉致などない!」と断言した社会党党首などの発言が尾を引いているようでした。はじめて集会に参加しました。 全体で1000人程度はいたでしょうか、でも五分の一は社内で一万円欲しさに集まった人間。平成12年第3回大集会に参加、会社の担当は私になっていて社長に社内参加者の総数を事前に報告、「260名です」「そうか・・集まったな!」やや絶句。 総務で一人1万円で260万円を用意してもらい、当日持参しました。この日は総勢2000人以上は集まったと翌日各社新聞が集会の盛り上がりを初めて採り上げました。 社内での参加者の報告を社長にしに行くと、朝刊に目を通していた社長が嬉しそうに「役目は終わったな・・」とつぶやきました。誰に自慢する訳でもなく、政治的な利用をする訳でもなく、社員に朝礼で話をする訳でもなく、サッと身を引いて何も無かったように振る舞う潔さ、いさぎ良しとはこう言うことだと身をもって教えて頂きました。 さらに噂で聞いた「参加者の一万円は社長個人の金」と言う噂の真相を総務の常務に確認すると「私が社長の個人口座から毎回おろして来て準備してましたよ」との話。3回で総額560万円か、横田滋さんの無念の陰に、こんな人が20年以上前から居られたこと、もう黙ってはいられないです。

令和2年6月15日
株式会社 セ ク ダ ム
代表取締役 竹 下 年 成